「空の絵本」
先日、友達と久しぶりにじっくり話していると、1冊の本を薦めてくれました。
あまんきみこさんのエッセイ。友達曰く、あまんさんのエッセイ本はこの1冊だけだとか。
あまんきみこさんと言えば、私にとっては、国語の教科書の「ちいちゃんのかげおくり」。自分の子どもの頃も、前職の時も、記憶に残る物語です。
子どもを寝かした後、久しぶりに丁寧にお茶を淹れ、ゆったりとした気持ちで、ゆっくりじっくり読みました。
心にすーっと入ってきました。読んでいる時間が、とても心地よかった。
それはきっと、友達が私に勧めてくれた理由の通りで、私の感覚と合うからでしょうか。
特に心に残ったのは、母子を題材にした「自転車をおりる」という話です。
子どもを幼稚園へ送迎するのに自転車を使っていたお母さん。けれど、足を怪我したため歩いて送迎をすることになった。
そのお母さんは、歩いて送り迎えした方が、子どもとの会話がずっと多い事に気付きました。それに、自然との出会いもいっぱいあり、それを子どもと楽しめる。その後、足は治ったけれど、自転車をおりることに決めたというお話です。
私も、息子を保育園まで送迎しています。歩いて行くことも多いですが、とっても近い距離なのに車ですませる事もありました。
私が大事にしたい事は、まさにこのお母さんと同じ。少しの時間ではあるけれど、その日の空の色とか、咲いてる花とか、見つけた虫とか、息子と共有したい。そして、美しい自然を美しいと感じられる心を持ってくれたらと願っています。
でも最近は、ただ歩いていたこともあったし、最悪はちょっと不機嫌な2人で登園していた日もあったなぁ(園の先生ごめんなさい!)と、この本を読んで思い返しました。
この本を読んだ翌日からは、いつもより送迎の時間を大切にできた気がします。時間が許す限りだけど、息子を急かさず少し寄り道しながら帰りました。私も楽しいし、嬉しそうな息子の表情が印象的でした。
また日常に追われて余裕がなくなった時は、丁寧にお茶を淹れて、ゆったりと読みたいと思います。そうすれば、きっとまた自分に戻してくれるだろう、そんな支えになってくれそうな本でした。
もし、ご興味が湧いた方には、お勧め致します。勧めてくれた友達に感謝!
『空の絵 』 あまんきみこ・文 /松成真理子・絵 / 童心社